書類選考を通過して、面接が近づいてきたときに押さえておきたいのが、面接のマナー。 まず、転職活動における面接とは、企業に「お客さんとしてお邪魔する」のではなく 「一人のビジネスパーソンとして自分を売り込む」ための場です。 面接での立ち振る舞いや言葉遣い、姿勢、コミュニケーションの取り方なども、選考のポイント。 ここでは、面接の流れを「受付、入室、面接、退室」に分けて、ステップごとの注意点を解説します。


1.ステップ別!面接のマナー・注意点
訪問~受付までのマナー
原則として、遅刻はNG。 余裕を持って出発し、約束の10分前には到着するようにしましょう。 やむを得ず遅れる場合は必ず電話を入れ、到着時刻を連絡します。 コートはビルに入る前にきれいに折りたたみ、携帯電話の電源はOFFにしておきましょう。 身だしなみをいま一度チェックしてから、受付に向かってください。 受付では、以下のように用件をはっきり伝えます。 本日●時に面接のお約束をさせていただいております、●●と申します。 人事ご担当の●●様にお取り次ぎをお願いいたします。 待合場所に着いたら、スマホや本などを読まず、姿勢を正して静かに待ちましょう。
控室で待っているときのマナー

企業によっては 面接の準備ができるまで控室や応接スペースに一時的に通されるケースがあるかもしれません。 案内されて面接の控え室に入ったときに、もし先客がいるなら迷惑をかけないよう、静かに席について順番を待ちましょう。 すでに面接は始まっています。 携帯電話をいじったり、キョロキョロしたりするとマイナスの印象を与えてしまいます。 資料を見るなど静かに待機しましょう。
入室時のマナー
名前を呼ばれたら、ドアをゆっくり3回程度ノックします。 返事があったら、「失礼します」と断り入室してください。 扉を閉める際、後ろ手で閉めるのはマナー違反。 ドアのほうに振り返ってから、静かに閉めるようにしましょう。 入室したら、自分から明るい声のトーンではっきりと挨拶をしましょう。 本日はお時間をいただき、ありがとうございます。●●と申します。 よろしくお願いいたします。 面接官に「どうぞ」と言われてから、席に腰掛けるようにして下さい。 その際、カバンは椅子の横に置きましょう。 お辞儀の仕方のマナー 深いお辞儀、軽いお辞儀など「礼」の角度には、その場の状況に応じた角度の目安があります。 面接では礼の形を覚えておくことをおすすめします。 たとえば、入退室時は「失礼いたします」と言い敬礼で30度の会釈 自己紹介時の「よろしくお願い致します」や面接終了時の「ありがとうございました」という時は最敬礼で45度の会釈が最適です。 男性の場合は、手を体の脇にそろえます。 女性の場合は、手を体の前にそろえます。
面接中のマナー
面接中に面接官がチェックしているのは、話している内容だけではありません。 立ち振る舞いや言葉遣い、姿勢、コミュニケーションの取り方など 自社のビジネスパーソンとしてふさわしいかという点を、総合的に判断しています。 以下では、「話し方」「表情」「姿勢」に関して注意すべき点をまとめました。 話し方のポイント 面接官の質問をよく聞き、話が長くならないよう簡潔に答えることを心がけましょう。 その際、結論から伝えたり、話すポイントを明示したりするとよいでしょう。 結論から申し上げますと、~~です。 具体的には・・・ 3点ございます。 1点目は・・・ 話す際は、ハッキリとした声で、適度に身振りを交えて話すようにしましょう。 小さな声で話すよりも、良い印象が持たれます。 また、正しい言葉遣いもポイント。 砕けた話し方ではなく、適切な敬語を使うことを心がけましょう。 表情のポイント 面接中の目線は、面接官へ向けるようにしましょう。 うつむいたり、視線をそらしたりすると、自信がないという印象を持たれるかも知れません。 面接官が複数の場合は、話している人に目を向けるようにしましょう。 堅くなりすぎず、基本的にはリラックスした表情が望ましいです。 大笑いしなければ、笑みがこぼれるのもよいでしょう。 名刺の受け取り方のマナー 転職活動において名刺を渡す機会は少なくても、受け取る機会は度々あるため、正しい名刺の受け取りマナーは覚えておく必要があります。 名刺の受け取りマナーを簡潔にまとめると、以下の5点です。 ①名刺を受け取る際は机を挟まない。 ②名刺は両手で受け取り、御礼と一礼。 ③名刺を受け取ったら、軽く見る。 ④頂いた名刺は、自分から見てテーブルの左側へ。 ⑤役職が一番高い人の名刺を、名刺入れの上に。 名刺交換の仕方1つであなたの印象は変わります。 退室時のマナー 面接終了後、「ありがとうございました」と自ら進んで挨拶をしましょう。 退室前に、「失礼いたします」の一言を忘れずに。 ドアを静かに閉めて退室しましょう。 2.服装・髪型のマナー
スーツなマナー(男性・女性) 男性は、スーツ自体は普通のシングルで問題ありません。 大事なのは「清潔感」と「適度なフィット感」。 ブランドや価格ではなく、キレイなスーツであることが重要です。 そのため、できれば面接前にクリーニングに出すことをお勧めします。 ベターなのは「濃紺のシングル」。 青系は「誠実」「聡明」なイメージを相手に与える色。 気持ちを落ち着かせる効果があるので、緊張しがちな面接時において、リラックス効果を生み出すことが期待できます。 女性のスーツには大きく分けてスカートとパンツタイプがありますが スカートとパンツのどちらを着るか迷っているのであれば、スカートを選ぶのがいいでしょう。 営業職などアクティブさが求められるような職種では、スカートよりもパンツタイプのほうが好印象を与えることもあります。 スーツの色に関しては、濃紺でも、ベージュやグレーなど比較的明るい色合いのものでも問題ありません。 私服の際のマナー(男性・女性)
応募した企業からの「面接には私服でお越しください」という連絡。 正直、困ったという方は多いもの。 「本当にスーツで行かなくていいの?」「どんな私服ならOKなの?」……など、いろいろ迷ってしまいますよね。 とはいえ、「私服=普段着」ではないので、注意が必要です。 就職活動における私服というのは、だいたいオフィスカジュアルを指していると認識しておきましょう。 OKな服装は、シャツ、ジャケット、ブラウス、カーディガン、パンプスなど。 これらは男女共に、面接官に与える印象が良いでしょう。 また、派手な柄物よりも、シンプルなコーディネートがオススメです。 逆に、「ダメージジーンズ」「パーカー」「露出が多い洋服」は避けた方がいいでしょう。
髪型のマナー(男性・女性)
転職の場合の髪型のマナーは、ビジネスパーソンとしての常識を大きく逸脱していない限り、それほど神経質になる必要はありません。 面接大事なのは「清潔感」 だらしない髪型をしていると「仕事のやり方もだらしないのかもしれない」と採用担当者が不安を抱いてしまいます。 髪の色は黒以外でもOKです。 毛量や髪質によっては黒髪のままだと重すぎてしまうため、ワントーン上げたナチュラルな髪色の方が、明るい印象となることも。 ただしあまりにも髪色が明るすぎるとビジネスマナーを疑われてしまうので 面接の際は黒もしくはナチュラルなカラーリングを心掛けましょう。 また髪が顔にかかり、表情が隠れていると暗い印象を与えてしまいます。 前髪が長い場合は、事前にカットしておくか、女性の場合はピンで止めるなどして顔を出すようにしましょう。 また、会話中にうなずいたり顔を動かしたりしたときに、髪が顔にかかると、採用担当者が気になってしまうもの。 まとめておいた方が面接に集中できます。
カバン・靴などみだしみのマナー
面接に足を運ぶ際の身だしなみとして、スーツやシャツ、ネクタイと同様、気をつけておきたいのがカバンや靴。 面接においては最低限のマナーをおさえたデザインを選ぶ必要があります。 カバンについて 大事なのは、男女問わず床に置いたとき、カバンがしっかり自立できる構造の製品。 自立できるカバンなら置く場所を選ぶことなくすぐに面接を始められますし、面接中に書類を取り出すときもスムーズです。 素材に関しては、本革でなくともナイロンや合成のようなものでもしっかり自立できる構造になっていれば問題ありません。 カバンの形も、普段仕事で使う一般的なビジネスバッグでよいでしょう。 色に関しては、スーツや靴などに合わせて「黒」「紺」「茶」が基本です。 ただし女性の場合は、男性に比べると服装含めて、デザインや色の種類が豊富で、ビジネスマナーの基準も男性ほど厳格ではありません。
靴について
靴は印象を大きく左右する重要な存在。 面接官からも見られるところです。 スーツ同様、「清潔感」が大切になるため、靴自体が汚れていたり、傷んでいるような場合はきれいに磨いたり、新品に取り換えることが大事です。 靴は、本革仕様やブランドものでなくて構いません。 まずは見た目がキレイであることが重要です。 形としては男女問わず、先端が尖りすぎていないもの。 色は、男性の場合、定番は「黒か茶色の紐靴」 ソックスに関しては靴かスーツの色に合わせつつ、柄は無地か、もしくはワンポイントで刺繍があるような、落ち着いたデザインが良いと思います。 女性の場合、靴の色に関しては男性同様、スーツの色に合わせるのが定番です。 ただし男性のように黒や茶だけでなく、ベージュや淡いピンクのようなカラーでも、スーツにマッチしていて全体に統一感があれば問題ありません。 まとめ
面接のマナーを、ステップごとに解説しました。 面接で好印象を与えることは、自分を「その会社にふさわしい存在」とアピールする機会でもあります。 自分自身を売り込む営業だと考え、記事で紹介したポイントをおさえた上で、面接にのぞんでください。